公認会計士の仕事はAIによって奪われるのか?

公認会計士について

皆さんこんにちは、働きながら公認会計士試験に合格したsuiです。

昨今「chat gpt」や「画像生成AI」とAIの発展が著しい今日この頃ですが、会計士業界でたびたび話題になる

公認会計士はAIでなくなる職業なんじゃないか説」について自分の考えを述べていきます。

これ人から言われるとドキッとしちゃいますよね

そもそも、専門職以外には職種の明確な名前がない

さて、みなさんはAIで消えそうな職業というとどのように考えるでしょうか…?

「とりあえず医者は現場で人間を相手しないといけないから、AIには置き換わらなそうだな」

弁護士は裁判は人間がやらなきゃいけないけど、それ以外の書類作成はAIが置き換わっていくな」

業務内容がイメージしやすい、専門職で考えてしまいませんか…?この点「公認会計士」・「税理士」は会計数値を取り扱うという明確なイメージがあり、AI論争の対象になりやすいという性質を持っています。

世の中の9割は営業・事務職など抽象的な業種となっています。「サラリーマンの仕事ってAIで消えるのかなあ…」と想像するのは厳しいと思います。

この考えを自分の脳内で検討するのであれば、細分化した職種・業務内容も加味できますが、人との会話において

公認会計士とか税理士の仕事ってAIで消えそうじゃね…?

それは違うよ!そもそも世の中の仕事は○○みたいな感じに細分化できるから、そのうちの△△の仕事は減るかもしれないけど~

こんな反論をする人は稀だと思います。

結果として世間的に「公認会計士・税理士の仕事はAIに置き換わっていきそう」というふんわりしたイメージが出来上がってしまいます。

公認会計士の仕事について考える

公認会計士の仕事に関しては大まかに

①ヒアリングとか財務数値からリスクの分析

②実際にやる監査の内容を決定

③手を動かして監査をしていく

このうち、AIにできそうなことはこんな感じです。
①財務数値から「こんな不正リスクがありますよ」って教えてくれる

②いろんなインプットから「こんな監査をするといいんじゃないでしょうか?」って案を出してくれる

③数値の分析・やばい仕分けや注目するべき取引を教えてくれる

これが可能になると、公認会計士の仕事として残るのは
・AIに分析してもらうための、非数値的な事情の情報収集
・提案された監査の手続きから効果的なものを判断して選ぶ作業
・AIが検知したやばめの取引に対してどのような対応をするべきかの判断、および質問等の人間でしか入手できない監査証拠集め。

参照:pwcのHP、「監査の変革 2021年版どのようにAIが会計監査を変えるのか」より



このような内容になっていきます。以上を踏まえると、

結論AIをうまく活用するためのイケてるインプット集めと、AIが提案してきたことの採否を判断することが今後も残り続けそう

改めて考えてみると、経験が必要だったり、AIに判断させるには複合的すぎる物事が今後の公認会計士の仕事となるような気がします。

「chat gpt」や「画像生成AI」を使用してみれば分かると思うのですが、結局AIを自分の意図通りに役立てるには、

✔いい感じの指示(インプット)がしっかりできるのか
✔出てきた結果(アウトプット)をどう採用するか

この2点が非常に重要になってきます。

この点、公認会計士は「根拠に基づいて専門家として判断を下す」ことが最も重要な部分なので、この力さえあれば仕事がAIに奪われるようなことはありません。

代替案について考える

会計士という仕事はAIによって今後無くなる」という議論を行う場合、

最終的に導かれる結論は、

よって、公認会計士の勉強をするくらいなら他のことに時間を投入したほうが良い

ということになると思います。

断言します「公認会計士の勉強に費やす時間と同等以上の選択肢」は存在しません。公認会計士試験の勉強をおこなうことがこの世の中で最も生産的な行為ですので安心して時間を投入して下さい。(暴論)

↑の記事の通り、公認会計士の資格は人生の最低ラインを大幅に上げてくれます。

2年~3年で取得さえしてしまえば、いくら起業に失敗しようとも翌月には最低600万~700万円で就職することが出来ます

そして上述の通り公認会計士の仕事はなくなりません。というよりも公認会計士の仕事が完全にAIによって奪われる頃は、今の職業の90%以上が消えていると思います。

いまから、「将来確実に存続している職業」を自信をもって断言できて、かつ、その職業に就くために今から隙間時間を3000時間投入しなければいけない場合のみ、

「AIに公認会計士の仕事が奪われる可能性があるけど、○○に関することに時間を使った方がいいのか…?」と悩みましょう。

まとめ

✔「明確な名前が付いている職業」は槍玉に上がりやすい
✔公認会計士は「判断」を行う専門職であるため根本的な仕事はAIに代替されない
✔AIに代替される可能性が高くとも、公認会計士試験の勉強以上に生産性の高いことはそうない

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