皆さんこんにちは、税理士法人で勤務しながら公認会計士試験に合格したsuiです。
この記事では、「税理士法人に勤務してこれは良かった」ということを紹介していきます。
税理士法人への勤務を検討している人や、将来的に税理士事務所で開業するんだいという人も是非読んでみて下さい。
結論、労働条件を除けば、試験合格を目指す人にとって理想的な就職先だと思っています(ベストは監査法人のトレーニーですが…)デメリットは↓です。
会社の決算までの様子が分かる
試験の点数アップにつながる
税理士事務所では記帳代行という日々の領収書から決算書を作成するまでの業務を代行することが結構あります。
例えば、固定資産を手に入れたときの処理の仕方や、日常の消費税の処理、決算書の注記表の作成や税務申告書を作成などを経験できます。
決算書作成までの一順が分かってくると、財務会計論・管理会計論・租税法の理論や知識が現場でどのように使われているのか分かる為、理解が深まり、点数アップにつながることを期待できます。
僕自身、税理士事務所に入ってから財務会計論の点数が60点伸びました
監査法人で監査を行う際に作業が想像しやすい
勿論監査法人に入所した後もこの経験は役立ちます。税務申告書など、独特の書類の読み方だったり、資料を依頼するときにもピンポイントで依頼しやすくなります。
また、決算以外にも、月次決算・年末調整、住民税・所得税の納付・消費税の中間納付・償却資産の申告など様々な業務を企業は行っており、被監査会社の忙しさを想像できるようになります。
このようなことは最終的に被監査会社の担当者との信頼関係にも繋がり、社会人経験者として監査法人に入所した際もほかの人とは一味違った価値を出すことに繋がります。
経理業務の現場感が分かるようになる
こう言ってはなんですが、忙しいときの日々の記帳業務はどうしても荒くならざるを得ません。自動取り込みの設定をミスって変な勘定科目になっていたり、消費税の課税区分を間違えたり、減価償却の入力間違えたり、なんでもありです。
日々の仕訳には結構な可能性で誤謬があるということを肌感覚で経験できるのも税理士法人を経験するメリットです。
業務内容が専門的で楽しい
税理士法人では、財務会計論・管理会計論・企業法・租税法・経営学の知識を使う機会があり、まさに公認会計士試験で勉強した知識を目の前の業務に活かすことが出来ます。
税理士法人で活かせることの例
財務会計論
記帳の基礎、借方と貸方の整合性をしっかりとれる仕訳を考える能力や、目の前の出来事を仕訳に落とし込む技術などを使います。
また、中小企業では経理担当者が育っていないことが多いので、「この処理ってなんで必要なんですか…?」みたいな質問が来た時にしっかりと理論的な背景をアウトプットできるといい復習になります。
管理会計論・経営学
中小企業の社長には、会計の勉強を全くしていない人も多いです。その為、信頼を勝ち得ている顧客の訪問に行くと経営の相談を受けることがあります。
売価はどれくらいがいいか、販売数量はどうしたらいいか、粗利益率が感覚と違う気がする…等、実際のビジネスへの意見を求められることがあります。
この際に、しっかりとした返答を返すために面談前に財務上の問題点を自分なりに整理していく必要があります。この時の発想の基礎となるのが主に管理会計論と経営学です。
※僕たちは机の上しか知りません、よって上から目線で理論的なことを話してしまうと相手を怒らせますので、あくまで僕たちの知識と現場を知っている社長で対等な立場で議論するというスタンスが非常に重要になります。
筆者は1度イキがりすぎて社長に怒られたことがあります。いい経験になりました。
企業法
意外にもたまに使います。
主に使う知識は、株主総会議事録をどんなふうに作るのか、どのような時に株主総会が必要なのか。重要な取引の際の取締役会が必要なのかなど。個人事業主から法人を設立したいときに株式会社と合同会社どっちがいいかなど。
法律の専門家ではない為あまり踏み込んではいけませんが、規模が小さいと顧問弁護士をつけていない場合もよくあります。
この際にさわりだけですがポロっと会話で聞かれる場合があります。基本的には司法書士や弁護士に任せるべきですが、会社の設立や機関設計などは公認会計士試験でコテコテの論点ですので、概要を伝えるだけなら十分可能です。
とくに個人事業主から法人設立の相談はかなりメジャーですので、何回か相談を受けると税金の面もふまえつつも、機関設計の違い等も説明でき、かなり社長に重宝されます。
租税法
決算業務で法人税法・消費税法について基本的な知識が身に付きます。
また、年末になると社長の確定申告を大量にこなすのですが、これで所得税についてもかなり網羅的に学習することが出来ます。各種控除は勿論、株式の譲渡所得・配当所得や不動産所得・事業所得なども実務に即して学習できます。
僕自身5月→8月で合格できたのは租税法のイメージがつかめていたことも大きいと思います。
メンタルが鍛えられる
社長と面談する機会が増えます。そして社長は当然ながら身銭を切って事業を行っています。
油断するとすぐに圧倒されます。気が付いていたら無料で仕事を引き受けさせられていたり、わざと威圧的な態度を取ってきて値引きの交渉を入れてきたりします(僕はこれを「パフォーマンスぶちギレ」と内心呼んでいました)。
また、日々の記帳代行の資料を最速するときなども、なかなか出してこずしまいには「こっちは日々の売り上げを稼ぐのに忙しい」と逆ギレされたりもします。
この際に「こちらの折れない覚悟を表明する」必要があります。こちらが全面的に悪い場合を除き、社長相手に下からの態度でいってはいけません。
良好な関係を保つために「こちらも本気で仕事をしている」ということを理解させなければいけません。
日々の円滑に業務を回すために、社外の社長と本気で対決しなければいけない機会がある。これはとてつもないメリットだと思います。
仕事で相手にキレられたときは、一方的にこちらが悪い時を除きキレ返すのが僕の仕事セオリーです
まとめ
・点数アップにつながる業務がいっぱい
・業務内容自体も自分の知識が活かせて楽しい
・社外の社長と対決する機会が結構あるという、人生経験的なメリット