【論文式試験】会計学の勉強法

上手く分けられない記事たち

皆さんこんにちは、働きながら公認会計士試験に合格したsuiです。
この記事では、「会計学の論文式試験対策ってどんな勉強をしたらいいの?」という点について書いていきます。

大前提として僕は5月短答→8月論文組+合格時の会計学の順位は1000番台(偏差値53)という背景なので、会計学の偏差値60を目指す!というよりは「会計学の勉強時間は最低限に抑えて企業法・租税法・経営学に時間を割きたい!」人よりの記事になります。

論文式会計学の特徴

会計学午前(管理会計論)に関して】…母集団のレベルが低く突き抜けていない人以外は団子状態。管理会計論は40点取れればほぼ確実に本番の偏差値52に乗ります。受験生の大多数は30点~40点間での勝負になります。

筆者の本番偏差値は54でした



合格するための点数がこんなに低いのには2点理由があります。
計算ミスに気づけない…短答式の場合、計算ミスをしても答えの選択肢が無いことで気づけます。しかし論文式では自分の出した数値をそのまま書くだけなので計算ミスに気づけません

「他の計算科目も同じじゃないか?」と思うかもしれませんが、管理会計論は答えの数値を出す工程が最も長い科目です。財務や租税・経営学の計算よりも相対的に計算ミスは多くなります。

→※時間制限ありの極限状態で計算ミスを皆無にすることは現実的ではないのでここは割り切るしかないと思います。個人的には再計算はせずにその分の時間で他の問題に着手して、「まあまあ正解が見込める解答」を複数作るという戦略をとっていました。

理論問題が計算問題と繋がっている…理論問題では、計算結果を踏まえた上で回答しなければ基本的に点数が来ません。計算問題が解けない=関連の理論問題が解けないということになります。計算問題をミスしたときや分からなかったときはごっそり点数を失います


上記の性質から管理会計論は、上位500番~2000番くらいは実力に差はありません。その時々の運や出題内容で順番が上下しているような関係になっています。しかしながら、30点~40点台の勝負になるので1点の重みがとてつもなく重いです。本番にどうにかして1点を削りだす練習が必要です。



会計学午後(財務会計論に関して)】…母集団のレベルが異常に高い。

本番の偏差値は52でした

正直財務会計論だけは偏差値56以上固いと思っていました。短答式試験で170点以上取って合格したからです。ふたを開けてみればギリギリ合格ラインでした。論文式試験に来る人で財務会計論が苦手な人はいません。短答式試験が財務会計論の県大会なら、論文式試験は全国大会です。

本番でも得点率50%は越えなければ合格できませんし、模試で偏差値52を出すなら60%は必要になってくる科目です。

財務会計論には以下の3点の特徴から高得点率が要求される科目です。
①試験時間が3時間とすべての問題を解くのに十分な時間がある。
→時間が足りなくて問題に着手できないということが基本的にありません。財務会計論で時間が足りなく感じるのは計算工程や練度に問題があるかもしれません。

理論問題も実力を発揮しやすい出題となっている
→短答式と異なり「特定の事項を覚えているか」ではなく、「○○に関して述べよ」が主なので、仮にその論点を構成する重要キーワードを3個中1つ忘れたとしても半分以上の点数が貰えます。また、管理会計論と異なり計算問題を踏まえた出題が無い為、純粋な理論の実力で得点できます。

③点数が200点配分される唯一の科目であり重要性が高い
最終的な合否を決める偏差値は、全科目700点中に対するインパクトになるので相対的に重要な科目と受験生は位置付けています。その為全員それなりの時間を投下して論文式の対策をしてきます。

財務の点数が130点~140点くらいで短答式試験を突破してしまうと、論文式試験の財務で苦しむ可能性が高いです。

会計学の勉強方法

【会計学午前(管理会計)】…短答用答練の復習5割、論文用の答練3割、論文の理論用の教材2割。
短答用答練の復習をする理由…短答の問題を目視して解き方がすぐに頭に浮かんでこなければ実際に手を動かして復習するだけでいい。論文式の計算で新しい論点が出ることはありません。計算力を確保する趣旨で勉強をするなら使い慣れた短答用の答練で網羅的に復讐したほうが時間効率が良いです。

論文用答練を勉強する理由…論文テンプレート問題の解法を100%頭に叩き込むことが目的。管理会計論の論文式試験では計算結果から理論まですべてがセットになった超典型テンプレートがあります。

例えば製造間接費を、時間ベースで配布する伝統的な配賦方法の計算結果からABCで間接費を配賦した計算結果を求めさせ、ABCのメリット・デメリットを記述するといったものです。このテンプレート大問が10個~15個前後あるのでその解き方と流れだけは頭に叩き込んでいきましょう。本番仮にテンプレート大問が出題されたら完答が可能であり、偏差値52越えがほぼ確実となるためです


論文用の理論教材を勉強する理由…論文用問題集7割暗記+論文答練の純粋な理論問題を7割暗記がゴール。論文式の理論は短答式と内容が全く異なります。「じゃあもっと勉強したほうがいいんじゃないか」と思うかもしれませんが、論文式の理論は「計算結果を踏まえて記述が要求される理論」が50%程度あります

純粋な吐出し型の理論問題は完全に解答できたとしても10点~15点程度です。この点数のために時間を投入しすぎることは、全体的な戦略としては良くありません。論文用の理論はやりすぎないように気を付けてください


最後の10分に死ぬ気で3点削りだす練習をする…試験終了間際になったら下記の2つをする練習を普段からしておきましょう。
計算結果を妄想して理論を埋める…空欄の理論部分は例え計算結果が出ていなかったとしても、点数が来そうな単語をひたすら書いてください。
すべての疑問点を無視して計算の答えを出す…文中に処理が分からない部分があったとしてもすべて無視して答えらしきものを出してください。


【会計学午後(財務会計論)】…短答用答練の復習5割、論文用理論教材の勉強5割
短答用答練の復習をする理由…短答の問題を目視して解き方がすぐに頭に浮かんでこなければ実際に手を動かして復習するだけでいいです。

計算は短答式試験からなんら変化ありません。短答財務を150点~160点採れた方はその力をキープすれば本番でもビハインドはつかない為「計算力の維持」を目的に復習していってください。論文期に配られる答練は基本問題部分と応用問題部分がありますが、「基本問題を復習するなら短答用答練の方が質が高く、応用論点の対策はそもそも必要ない」ため、理論問題部分だけを切り離して使用するのがいいです。

論文用理論教材を勉強する理由…理論用の問題集を8割暗記+論文答練で出た理論を9割暗記を目指す
短答式試験と聞かれる内容が異なるため、インプットが足りていないと本番全く太刀打ちできません。そして、財務の論文理論は9割が計算と関係ない純粋な理論問題です。点数も全体で40%弱割り振られているので、点数の再現性が高く配点も大きいというコスパのいい分野になっています。正直計算力では差がつかないので、理論のクオリティで偏差値が決まります

まとめ

会計学午前(管理会計論)は母集団のレベルが低め
理論は特に報われにくいから投入勉強時間に注意
会計学午前(財務会計論)は母集団のレベルが高い、短答式150点が平均母集団くらいのレベル感
計算で差がつかないから理論が勝負

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