【論文式試験】社会人向け租税法の勉強法

上手く分けられない記事たち

みなさんこんにちは、働きながら公認会計士試験に合格したsuiです。
今日は論文式と言ったら租税法といわれるくらい重要な租税法について書いていきます。

特に社会人の方は、租税法の勉強量に絶望しているのではないでしょうか…?

僕の租税法の偏差値は50を切っていますので、この記事では勉強法というよりも租税法の所感・どうやって足切りにならないかの戦略について書いていきます

この記事では
租税法とはどんな科目か?
働きながら勉強する場合の時間配分や勉強法は?
最小限の勉強で足切りを避ける勉強方針

について書いていきます。

租税法は計算よりも理論の方が圧倒的にダメでした(反省点)

租税法とはどんな科目か?

とにかく、母集団のレベルが高い科目になります。会計学午後(財務会計論)と同じくらいみんな勉強してくる科目です。

僕は短答後に150時間程度(論文までの3か月の可処分時間の約1/3)は租税法に投入しましたがそれでも論文偏差値は47~48でした。これには租税法に下記の特徴がありみんな勉強してくるためだと考えられます。

租税法という科目の特徴
点数の再現性が高い…租税法は時間内にギリギリすべて解きることが可能な分量であり、問われる問題数も多いです(出題範囲による運の要素が少ない)。その為、勉強すればした分だけ点数が伸びていく科目です。

租税法を軽視する受験生がいない…論文期にはいると各予備校は租税法の演習をかなり厚めに行います。よって生徒間でも租税法を重視する雰囲気が出来上がります。租税法を毎日触らない受験生はかなり少数だと思います。

暗記が中心…複雑な計算パターンを要する問題は少なく、「処理を知っているかいないか」で成否が分かれる問題が大部分であるため、一定レベルまでは時間を投入できた人が優位。

理論が難しい…高難易度です。条文の指摘がメインであり、どこに何が書いてあるかをある程度把握していないと時間的に厳しいです。また、実生活に馴染みのない内容が出題されるので「普通に考えたらこうなるだろうな」的なあたりをつけることも困難です。

上記の点から、受験戦略に関わらず租税法は高水準で仕上げなければいけない科目となっています。

租税は受験戦略に関わらず、それなりの勉強時間の投下が必要です

働きながら租税法の勉強をする場合

①最低限必要とする勉強時間自信をもって受けるには200hは必要な感じがしました。論文式試験当日までに勉強できた150h程度では、「租税法は失敗しなければいい」というなんとも心もとない自信だったのを覚えています。具体的に150時間でできることといえば、理論は超典型論点以外ノータッチ。計算問題は答練と「同じ聞かれ方」をしたら7割程度は正解できるという状態でした

計算問題の勉強方法授業は全く受けておらず問題集と答練をひたすら解き続けていました。授業を受けきるだけでも最低40時間程度は必要でしたが、その時間はすべて問題演習に充てていました。また、答練に関しても全ての分野を勉強するのは難しそうだったので、本番に出てきたら解けそうな論点に注力していました。下記に各計算分野の所感を書いていきます。


法人税法…典型論点としては、受取配当金・減価償却・租税公課・交際費あたりとなります。この中で減価償却費の問題だけは計算過程が多く、本番正解できる可能性が低いと感じたのそこまで力を入れて勉強していませんでした。また各種の論点の中で出る可能性はそこまで高くないが、覚えておけば確実に正解できる問題は暗記していました。時間がなく組織再編税制に関してはほとんどノータッチでした。

試験後の所感→法人税の計算はもっと網羅的に勉強しても良かったと思いました。本番の日ですが確実に解ける計算問題のみを解いた後時間がかなり余ってしまいました。この際に上記の減価償却の問題などを解ける力があればもっと成績は伸ばせたと思います。また、計算力不足は理論の力不足にもつながります。時間を確保が前提ですが網羅的に勉強するに越したことはないと思いました。

所得税法…上記の法人税法よりも頭を使わないで暗記だけで乗り切れる分野だと思います。個人的には所得税法が最も本番で安定して点数がとれる分野だと思っています。しかしながら本番の点数配分がかなり低い為、費用対効果がそこまでよくありません。また難易度自体が低めなため、20時間~30時間程度投入できれば他の受験生と同レベルに持っていくことが出来ます。事業所得・不動産所得あたりはいろいろな条件が与えられているため、正解までたどり着くことが困難な場合が多いと思いました。

消費税最もコストパフォーマンスが悪い分野だと思っています。計算の性質上一つ分からない論点が出てきたら連鎖して点数を落とす可能性があります。そして所得税と同様点数配分が少ないです。以上の2点から納付消費税額を求める練習をする必要はなく、非課税売上と売上値引きなど、「知っていればできる」部分を取れれば十分だと感じました。


理論の勉強法について答練で配られた理論問題のみを、全く理解することなく暗記して臨みました。失策でした。時間が無かったことはありますが、投入した勉強時間分の成果が点数になっていたかというと疑問の残る結果になりました。下記、反省点です。

✔理解の抽象化が出来ていない為、文脈が少しでも変わると暗記した解答のどの部分を使えばいいか分からない。→正直本番で自分が勉強した問題だと自信をもって答えられた出題がありませんでした。なんとか税理士法人時代に聞いたことがある内容をひねり出して書いただけです。

計算も十分にこなせていないのに理論も丸暗記だと計算と理論間でシナジーが出なく、勉強時間に対する効率が悪い

→言葉の通りです。通常理論を理解できれば計算問題の点数も上がるはずですし、計算が仕上がっていれば理論の点数もそう酷いものにはならないはずです。この点僕は計算と理論をそれぞれ独立させて丸暗記に走ったことは良くなかったと感じています。理論をしっかりと勉強することは全教科の成績向上につながりますので、しっかりと理解しながら進めることが重要だったのではないかと思っています。とはいえ5月→8月パターンなら贅沢は言ってられません。丸暗記で最低限の点数を取るのもアリです。

5月短答に合格して時間が本当にない人へ↓

まとめ

租税法はみんな勉強してくるから母集団のレベルが高い
200hは確保したい科目
法人税と理論がコスパ良し
やればやるだけ伸びる科目

租税を勉強するにあたって勉強方法を見直したい人へ



他の人気記事