【論文式試験】企業法の勉強法

上手く分けられない記事たち

皆さんこんにちは、フルタイムで働きながら公認会計士試験に合格したsuiです。
この記事では企業法の論文式試験に関して書いていきます。

内容としては、
論文式の企業法はどんな科目か
勉強法は?
本番どんな解き方してた?

上記の内容に関して書いていきます。

自分の企業法論文式順位は700位台でギリギリ偏差値56超えでした

論文式企業法とはどんな科目か

企業法は論文式試験の中でも、危険度がかなり高い科目です。
これは企業法の出題形式が原因で、大問題2つで構成されています。分解すると小問題が4つとなるので、数ある論点のうち4つだけのクオリティでこの科目の点数が決まります。

その為、1つでも知らない論点が出てしまうと一気に偏差値に差がつきます。2つ分からない論点が出た日には足きりも見えるレベルの科目になります。

また短時間しか勉強していなくても自分の得意な論点が出れば偏差値は跳ね上がり、たくさん勉強していても自分が苦手な論点が出ると偏差値が一気に下がるジェットコースター科目です。

TAC模試はE判定、大原模試はA判定でした。
企業法の実力なんてあってないようなもの



ガチャ要素が高い科目ですので企業法で本番稼ごうとするのはお勧めしません。ただ、リスクを減らすためにはある程度の勉強時間を割かないといけないため、結果として本番にいい点数を取れることはあります。

なお、時間も割と足りない科目です。1つの小問題30分が目安です。文章の構成は10分弱で済ませて残り20分で作文していく時間配分になります。作文途中で思い出した論点をねじ込もうとすると文章の流れが崩壊したり、修正テープでかなりの分量を直さなければならないので、文章構成の精度が時間の余裕のポイントとなります。

企業法の勉強法

答案の構成を覚えることを目的として勉強を行っていきます。

企業法においては、
①事例分析(問題文の具体的な事情を整理する)
②問題提起(上記の事情から抽象的なパターンに分類して、この場合どうなる?的なことを書く)
③論証(上記の抽象的な問題点を抽象的な論理で解決する)
④あてはめ(上記の抽象的な論理を、問題文の具体例にあてはめる)

このような場合で答案を書くことが8割です。
上記の中で覚えるべき部分なのは②と③の抽象的な部分のみです。ここさえ覚えてしまえばあとの①と④は問題文から適当に拾ってくるだけです。

その為、答案を全部書くor覚えることは時間の無駄+キツイためやらなくていいと思っています。

具体的には各問題集・答練をみて、抽象的な問題提起と論証を何も見ないで書く練習がおすすめです。
1問題10分~20分程度でできるので、1日1時間でも答練+問題集の50~60論点くらいなら1か月で回せます。

企業法の勉強で六法を引くべきかどうかですが、
引いたほうがいいです。

全1000条弱ある条文の、どこにどんな感じの内容が書いてあるかを把握しておく必要があります。

正直、条文を引く練習は時間の無駄だと思いほとんどしてませんでした。そして試験当日「準共有」という見たことも聞いたこともない論点が出題されてきたとき、脳裏に「足切り」という単語がよぎりながら会社法の106条を探した10分間は地獄でした。正直条文を見つけられたのは運の要素もあったと思います…

近年の企業法の問題は初見の論点が1つくらい入ってくるのがトレンドのようです。皆さんも死ぬ気で条文を探さなければいけない場面にでくわす可能性が高いので、事前に準備しておいたほうが無難だと思います。

本番の解き方

問題の全体像は15秒くらい見る
安心感のためです。この時間でどの問題は厚く書くとか全く考えていません
基本的にすべての問題の答案用紙を全部埋めるスタンスでやっていたので、企業法において時間配分に傾斜はかけていませんでした。

大問題のシチュエーションを3~5分で図で書く
状況の全体像が分かっているほうがやりやすかったので書いていました。
問題文を読む時間も入っているので時間のロスにはなっていません。

※イメージ図

小問題の文章を読みながら論点を書き出す上記と合わせて10分程度
→問題文を読みながら論点を書き出します。例えば「競業避止義務違反」が論点だと思ったらその時点で問題文を読むのを中断して、競業避止義務違反周りの問題提起パターンと論証のテンプレートのキーワードを書きだします。そのあと文章を読むのを再開して、他の論点が出てきたら再度上記の書き出しを行います。

※ここでわけの分からない題材が出てくることがあります。その場合に10分を限度に条文を調べ下さい。もし条文を見つけられなかったらあきらめて、決議の取消・無効・不存在・遡及効・対世効あたりでしのぐしかありません。もし見つけられたとしたら、条文の指摘および論証が必要になりますが、初見の論点の論証は正解を知らない為、自分の中からひねり出すしかありません。その際は会社法が大事にしているより根幹となる概念に照らし合わせてどうかという点を記載すれば他の人には負けないと思います。

答案作成20分程度
→③が終わった時点で結論まで頭の中で見えていれば、事例分析→問題提起→論証→あてはめを書いていくだけです。どの部分を厚く書くとかは考えておらず、書けることは全部詰め込んでいました

ラスト30秒ですべての文脈を無視して「遡及効・対世効となる」とか書いてました

まとめ

企業法は運要素強めで足切りありうる
条文引く練習はさらっとやっておくと吉
本番の時間配分は均等に1つ30分でいいと思う